Immigration News」カテゴリーアーカイブ

Proxy Marraigeと同伴家族ビザ

婚姻当事者の両者が物理的に同席していない状態での婚姻を「Proxy Marraige」と呼びますが、コロナ禍で遠距離カップルによるProxy Marriageをした場合の配偶者ビザについてのお問い合わせが増加しています。

米国で就労する非移民ビザ保持者の扶養を受ける配偶者には「同伴家族」の資格が与えられるため、主たるビザ保持者に伴って米国に入国・滞在することが認められています。Proxy Marriageで婚姻した配偶者は移民法上の「配偶者」と認められない場合がありますので、同伴家族のビザが取得できるかどうか検討する必要があります。

移民法上、両婚姻当事者が物理的に同席していない状態で結婚した場合は、婚姻が「完成」された場合を除いては、「配偶者」とは認めないと定められています。つまり両当事者が婚姻時に同席しないProxy Marriageの場合、移民法上の配偶者と認められるためには、婚姻が「完成」されたことを証明する必要があります。

Proxy Marraiageの場合、婚姻を「完成」させるためには、婚姻後、両者が同時期に同じ場所に物理的に滞在したという記録を証拠として提出する必要があります。具体的に、「完成」を証明するためには、飛行機のチケット、I94記録やパスポートスタンプ、ホテルの請求書、写真などが証拠となります。

通常、非移民ビザの同伴家族用のビザ申請において、配偶者であることを証明する書類として、「配偶者」との記載のある戸籍謄本の写しを提出します。日本の場合、そもそも、両婚姻当事者の合意があれば、両者が物理的に同席していない状態でも婚姻届けを出すことは可能です。ですから、Proxy Marriageであっても、「配偶者」の記載のある戸籍謄本の写しを提出することは可能ですが、婚姻日以降に婚姻が「完成」した証拠、つまり両者が物理的に同じ場所に滞在した履歴がないと、移民法上の配偶者とは認められませんので注意が必要です。

なお、Proxy Marraigeの場合で、さらに「完成」を証明できない場合は、移民法上の配偶者と認められないため、非移民ビザの同伴家族ビザは取得できませんが、B2ビザを”Proxy Marriage Spouse”カテゴリーで取得し、渡米して婚姻を「完成」させた後に、同伴ビザステータスへ切り替えることが認められています。

飲酒運転とビザの取り消し通知

2015年11月以降、米国内で飲酒運転 (DUI) で逮捕されると、在外米国大使館・領事館からビザ保持者にビザの取消通知が届くようになりました。最近、DUIを理由としたビザ取り消し通知を受けた方からのご相談が増えています。

米国内で警察に逮捕されると、全米犯罪情報センター (NCIC)のデータベースに逮捕歴が登録され、在外米国大使館・領事館に情報が提供されます。情報の提供を受けた在外米国大使館・領事館は、ビザ保持者に対して、ビザ申請時にDS160に記載したメールなどの連絡先へ、DUIによる逮捕に基づきビザが自動的に取り消されることを通知することになっています。ビザが取り消された場合、その申請者の家族の同伴ビザも同様に取り消されることになります。

在外米国大使館・領事館から届く取り消し通知のメールには、通常、以下のような内容が記載されています。(※通知内容は、各申請者により異なる場合がありますのでご注意ください)

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移民法221(i)に基づきあなたのビザは米国国務省により取り消されました。この取り消しは、あなたが米国を出国した時点で効力を発します。この処分は、あなたのビザ発給後に明らかになったビザ適格を有しない可能性があることを示す新しい情報に基づいてなされたものです。

あなたが現在米国に滞在していている場合、この取り消し処分は、あなたが米国に入国した際に米国税関国境保護局(CBP)によって与えられたステータスや、滞在許可に影響を及ぼすものではありません。

ただし、ビザの取り消し処分を受けた後に米国を出国した場合、米国に再入国する際には、ビザ適格を証明するためにビザの再申請を行いビザを取得する必要があります。
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過去5年以内にDUI逮捕歴があれば、有罪判決の有無にかかわらず、ビザの取り消し処分の対象となります。現在米国に滞在中で、有効なI-94を保持している場合は、引き続き米国での滞在や就労は可能です。

しかし、いったん米国を離れた場合、再入国するためには、ビザを再申請し取得する必要があります。このビザの再申請手続きにおいて、申請者は、通常のビザ申請書類に加え、DUI逮捕歴を開示し、警察の逮捕記録や、裁判関連書類、罰金・社会奉仕活動等々の記録、などの追加書類も提出する必要があります。

さらに、ビザ審査の過程で、在外米国大使館・領事館が必要と判断した場合には、大使館・領事館指定の医師からの健康診断書を取得するよう求められます。健康診断は「アルコール依存症による身体または精神障害があり、今後、申請者本人、または第三者の安全に危害を加える可能性があるか否か」を判断する目的で行われ、指定医師から問題ないと判断された場合にビザが発行されます。従って、通常のビザ申請よりも、書類の準備や審査に長く時間がかかりますので注意が必要です。DUIで逮捕された場合、初犯で人身傷害などがなく、軽犯罪に該当するものであって、アルコール依存に該当しないと診断されれば、弊社の過去の事例を見ても、ビザは再発行されています。

逮捕歴や犯罪歴が有る方はESTAにての渡米は出来なくなります。従いまして、DUIによるビザ取り消し後の渡米には、たとえ観光目的や短期の出張であってもビザの取得が必要となります。

なお、在外米国大使館・領事館は常に申請者の最新の連絡先を把握しているとは限りませんので、ビザ申請者に必ずしもビザ取り消しの通知が届いている保証はありません。従って、ビザ保持者が米国外に出国したのち、再入国する際に初めて自分のビザが取り消されていることを知る場合もあります。DUIによる逮捕を受けた場合、速やかに就労先や弁護士に相談し、その後のビザ再申請や出入国の計画を立てる必要があるでしょう。

移民及び非移民(H-1B/H-2B/L/J)の入国停止措置の延長について

昨年2020年4月22日、2020年6月22日に公布された2つの大統領令(10014号および10052号)に基づき、移民ビザおよびH-1B、H-2B、L、Jの非移民ビザを取得して入国する外国人及びその同行者(家族)による入国は2020年12月31日まで停止されていました。

このたび、新たに公布された2020年12月31日の大統領令「Proclamation on Suspension of Entry of Immigrants and Nonimmigrants Who Continue to Present a Risk to the United States Labor Market」により、移民及び非移民(H-1B/H-2B/L/J)の入国に関する大統領布告の有効期限が2021年3月31日まで延長されることになりました。

トランプ大統領は、新型コロナウイルスによって、米国全体の失業率が悪化し、雇用の機会が減少していることを挙げ、今後の見通しも不透明であると述べ、大統領令10014号および10052号の延長が必要との考えを示しました。

具体的には、大統領令10014号および10052号の終了に関する条項が次のように改正されます。

この大統領令は2021年3月31日に終了するものとし、必要に応じ継続することができる。 2021年3月31日から15日以内に、その後この大統領令が有効な間は30日ごとに、国土安全保障長官は、国務長官および労働長官と協議の上、必要に応じて修正を勧告するものとする。

2020年12月31日大統領令「Proclamation on Suspension of Entry of Immigrants and Nonimmigrants Who Continue to Present a Risk to the United States Labor Market」

https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/proclamation-suspension-entry-immigrants-nonimmigrants-continue-present-risk-united-states-labor-market/

大統領令による非移民ビザ(H、L、J)の入国停止への例外規定について

トランプ大統領は2020年6月22日、新型コロナウイルス発生後の米国労働市場へのリスクとなる外国人の入国の停止」を公布し、特定の非移民ビザ(H、L、J)およびその家族によるアメリカへの入国を停止しました。

この大統領令により、以下の3要件をすべて満たす場合、H、L、Jでの米国入国が停止されることとなりました。①2020年6月24日時点で米国外に滞在していること②2020年6月24日時点で有効な非移民ビザを有していないこと③2020年6月24日時点で有効な、または発効日以降に発給され米国への入国及び入国申請を認める内容の、ビザ以外の正式な渡航許可証を有していないこと

ただし、米国の防衛・法の執行・外交・安全保障にとって重要である者、新型コロナウイルス感染者の治療に従事する者、米国内の施設において新型コロナウイルス対策のための医学研究に従事する者、または緊急的かつ継続的な米国の経済回復を促進するために必要な者については、「入国することが米国の国益に資すると判断された外国人」であるため、入国制限の例外とすると定めていました。

2020年8月12日に、国務省は新たにNational Interest Exceptions to Presidential Proclamations (10014 & 10052)を発表し、「入国することが米国の国益に資すると判断された外国人」のL,H,J各ビザについての判断基準を明らかにしました。この新しい例外規定より、先の大統領令による入国禁止規定の対象となると考えられていたL,H,Jビザ申請者の一部の入国停止が緩和される可能性があります。

弊社では、特に、入国停止措置の例外となると明示された以下のLビザの例外措置について多くの方からお問い合わせをいただいています。

「重要なインフラ関連事業」に携わる企業における①長年の勤続経験のあるシニアレベルの役員や管理者が重要なインフラ関連事業において不可欠な役割を果たす目的で渡米する場合、または②長年の勤続経験のある高度な専門知識を持つスペシャリストが重要なインフラ関連事業において重要かつ固有な貢献を果たす目的で渡米する場合

ここでいう「重要なインフラ」には、化学、通信、ダム、防衛、緊急サービス、エネルギー、金融サービス、食品および農業、政府機関、医療および公衆衛生、IT、原子炉、輸送、水道システムなどが含まれると規定されています。

解釈によってはかなり広範囲な分野での入国停止の緩和が期待されます。ただし、この例外規定が、実際のビザ審査においてどの程度厳格に運用されるのかは現時点では不明瞭です。大使館は実際に申請された個々のケースごとにビザの認可の可否を判断するというスタンスですので、申請してみないとわからないというのが実情です。いったん申請を却下されますと、申請した個人にはビザ却下歴がつきますので、それ以降の米国へのビザなし渡航ができなくなるというリスクがありますので注意が必要です。

2020年8月12日National Interest Exceptions to Presidential Proclamations (10014 & 10052)https://travel.state.gov/content/travel/en/News/visas-news/exceptions-to-p-p-10014-10052-suspending-entry-of-immigrants-non-immigrants-presenting-risk-to-us-labor-market-during-economic-recovery.html

2020年6月22日公布の大統領令「新型コロナウイルス発生後の米国労働市場へのリスクとなる外国人の入国の停止」について

トランプ大統領は2020年6月22日、特定の非移民ビザ(H-1B、H-2B、L、J)およびそれに同行する外国人(家族)によるアメリカへの入国を停止するとする大統領令を公布した。新型コロナウィルスの影響による失業者の増加を受けて、すでに2020年4月22日に交付された大統領令10014号では、新型コロナウイルス発生後の経済回復期において米国内で自由に働くことのできる移民ビザで入国する外国人は米国市民から雇用の場を奪い経済回復を妨げる恐れがあるとの理由から、当該大統領令の交付後に発行された新規移民ビザでの60日間の入国を制限するとしていた。

この度新たに公布された2020年6月22日の大統領令では、すでに施行されている移民ビザでの入国制限を2020年12月31日まで延長するとともに、新しくH-1B、H-2B、L、Jの非移民ビザを取得して入国する外国人及びその同行者(家族)による入国を2020年12月31日まで停止することとなった。

本大統領令では、2020年2月から4月にかけて、米国内で、H-2Bビザ就労者の雇用を予定している産業分野で1700万以上の職が失われ、H-1BビザやLビザ就労者の雇用を予定している基幹産業分野で2000万以上の職が失われていること、さらに、Jビザ研修生の派遣により雇用の場を奪われる恐れのある若いアメリカ市民の失業率は16歳から19歳で29.9%、20歳から24歳で23.2%と特に高い数値を示していることを挙げ、H-1B、H-2B、L、Jビザでのこれ以上の外国人の入国を認めることは、新型コロナウイルスによる経済的混乱によって脅かされているアメリカ市民の雇用の機会を著しく阻害する恐れがあると述べている。労働力の過剰な供給は米国経済の復興を妨げるものであり、アメリカ市民のために労働市場の需要を安定化させるためにも、2020年12月31日までの間、経済回復期における米国労働市場へのリスクとなる移民及び非移民の入国を停止すると定めている。

本大統領令の具体的な規制内容は以下の通りである。

第1条 大統領令10014号の延長
先に公布された大統領令10014号(移民ビザの入国制限に関する規定)は、2020年12月31日まで延長され、その後も必要に応じて延長される可能性がある。また、当大統領令の発効日(2020年6月24日)から30日以内に、またその後は60日毎に、国土安全保障長官は国務長官および労働長官との協議を行い、必要に応じて大統領に大統領令10014号の内容の変更を提言するものとする。

第2条 入国の停止および制限
以下に該当する非移民ビザ保持者の米国への入国を停止および制限する。
(a) H-1BまたはH-2Bビザ保持者およびそれに同行する外国人
(b) Jビザ保持者(インターン,研修生,教師,キャンプカウンセラー,オペア留学生(au pair),サマーワーク&トラベルプログラム参加者など)およびそれに同行する外国人
(c) Lビザ保持者およびそれに同行する外国人

第3条 入国停止および制限適用の範囲
(a) 本大統領令による入国の停止および制限は以下の(i)から(iii)全ての条件に該当する者に適用される
(i) 本大統領令の発効日(2020年6月24日)時点で,米国外に滞在していること
(ii) 本大統領令の発効日時点で,有効な非移民ビザを有していないこと
(iii) 本大統領令の発効日時点で有効な、または発効日以降に発給され米国への入国及び入国申請を認める内容の、ビザ以外の正式な渡航許可証(トランスポーテーションレター、ボーディングフォイル、アドバンスパロール等)を有していないこと

(b) 本大統領令による入国の停止および制限は、以下の(i)から(iii)のいずれかに該当する者には適用されない
(i) 米国の合法的な永住権を有する者
(ii) 米国移民法101(b)(1)に規定される米国人の配偶者または子である外国人
(iii) 米国の食糧サプライチェーンのために不可欠な一時的労働またはサービスを提供する目的で米国に入国する外国人
(iv) 国務長官、国土安全保障長官またはこれらの指名する者により、入国することが米国の国益に資すると判断された外国人

第4条 実施と運用
(a) 在外公館領事は、外国人が本大統領令第3条(b)の例外規定のいずれかに該当するか否かを自身の裁量により判断することができる。国務長官は、国土安全保障長官および労働長官との協議のうえ自身の裁量で制定した運用基準に基づき、ビザに関する本大統領令の規定を運用するものとする。国土安全保障長官は、国務長官および労働長官との協議のうえ自身の裁量で制定した運用基準に基づき、外国人の入国に関する本大統領令の規定を運用するものとする。

(i) 国務長官、国土安全保障長官および労働長官は、本大統領令第3条(b)の例外規定に該当する外国人の判断基準を制定する権限を有する。例外規定に該当する外国人には、米国の防衛・法の執行・外交・安全保障にとって重要である者、新型コロナウイルス感染者の治療に従事する者、米国内の施設において新型コロナウイルス対策のための医学研究に従事する者、または緊急的かつ継続的な米国の経済回復を促進するために必要な者などが含まれる。国務長官および国土安全保障長官は、本大統領令第3条(b)(iv)および先に公布された大統領令10014号第2条(b)(iv)に規定された裁量権に基づき、本大統領令もしくは大統領令10014号第1条に基づく入国制限の運用の結果年齢制限を超えるためにビザの資格を失う可能性のある外国人の子女を入国制限の対象から除外するものとする。

(ii) 国務長官,国土安全保障長官またはこれらの指名する者は、本大統領令第4条(a)(i)の基準に基づき、その単独の裁量において、本大統領令第3条(b)(iv)に該当する外国人を特定することができる。

(b) 詐欺、重要な事実に関する故意の不実表示、または不法入国によってこの大統領令の適用を回避する外国人は、国土安全保障省による国外追放処分の優先的対象者となるものとする。

(c) 本大統領令のいかなる規定も、米国の法律に準拠し、拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取り扱い又は刑罰に関する条約に基づく、亡命、難民認定、国外追放の保留、または保護を求める個人の権利を制限するものではない。

第5条 その他の措置
(略)

第6条 終了条項
本大統領令は、2020年12月31日に失効し、その後も必要に応じて延長される可能性がある。また、本大統領令の発効日(2020年6月24日)から30日以内に、またその後は60日毎に、国土安全保障長官は国務長官および労働長官との協議を行い、必要に応じて大統領に本大統領令の内容の変更を提言するものとする。

第7条 発効日
本大統領令第1条の規定を除き、本大統領令は2020年6月24日午前12時1分(米国東部時間(夏時間))をもって発効する。

第8条 分離条項
(略)

第9条 一般条項
(略)

ビザの発給や入国制限に関する具体的な判断基準や運用ルールは6月25日現在明らかにされておらず、今後を待つ必要がある。本大統領令発効日時点で米国内に滞在中の方も、詳細が明らかになるまでは、安全を期すためにも、不要不急の国外への渡航は控え、今後の動向を見守るべきだろう。

2020年6月22日公布大統領令
https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/proclamation-suspending-entry-aliens-present-risk-u-s-labor-market-following-coronavirus-outbreak/

F/J/Mビザ保持者の不法滞在の算定起算日が変更されます

米国移民局(USCIS)は、学生(F)ビザ、交換訪問者(J)ビザ、職業訓練(M)ビザ保持者及びその家族の不法滞在(unlawful presence)の算定の起算日に関する新たな指針を発表しました。この指針は2018年8月9日より発行します。

通常、F/J/Mビザ保持者は、入国の際に「Duration of Status」の滞在期間を付与されますが、これはステータスが有効な限り合法的に滞在できるということを意味しています。これまで、Duration of Statusを付与されて入国したF/J/Mビザ保持者の不法滞在については、①他の移民法上の手続きにおいてUSCISが非移民ステータスへの違反があると正式に認めた時、または②移民裁判官が国外退去処分を命じた時、のいずれか早い時点を起算日とするとされてきました。つまり、①あるいは②に該当するまでは不法滞在にはならないと解釈されてきました。

しかし、2018年8月9日より発行する新たな指針により、今後、F/J/Mビザ保持者及びその家族の不法滞在の算定の起算日は以下のように変更されます。

まず、2018年8月9日より前に、ステータス違反が生じていた場合、2018年8月9日より不法滞在期間が開始します。ただし、USCISが非移民ステータスへの違反があると正式に認めた日の翌日、入国の際Duration of Statusではなく特定の期日の滞在期間が付与された場合はその期日の翌日、あるいは移民裁判官が国外退去処分を命じた日の翌日のいずれかが2018年8月9日より前である場合には、そのいずれかもっとも早い時点が起算日となります。

次に、2018年8月9日以降に、F/J/Mビザ保持者にステータス違反が生じた場合には、以下の①から④の要件いずれかに該当したもっとも早い時点を不法滞在の起算日とします。①許可された学習プログラムや認められた活動を中止した、または許可されない活動に従事した日の翌日、②許可された学習プログラムや認められた活動(プラクティカルトレーニング及びグレースピリオド含む)を終了した日の翌日、③入国の際Duration of Statusではなく特定の期日の滞在期間が付与された場合はその,期日の翌日、④移民裁判官が国外退去処分を命じた日の翌日。

この新たな指針により、2018年8月9日以降はF/J/Mビザ保持者は、上記①から④のいずれかに該当した時点で不法滞在となりますので注意が必要です。F/J/Mビザ保持者の同伴家族の滞在期間は、主たるビザ保持者に準ずるとされていますので、F2、J2、M2ビザで滞在されいるご家族は、それぞれ主たるF1、J1、M1ビザ保持者が不法滞在となった時点で同時に不法滞在となります。

尚、F/J/Mビザ以外の不法滞在の算定方法は現行のままとなっています。

追加証拠請求および却下予定通知に関する新たな指針

2017年4月にトランプ大統領は大統領令「Buy American, Hire American」に署名し、「アメリカ・ ファースト」を実現するための移民政策の見直しに、積極的に取り組む姿勢を表明しました。

2017年10月には、ビザの更新申請に関する新たな指針が発表され、更新申請であっても新規ビザ申請と同様の審査基準を満たさなければならないことになりました。

昨年のH-1B専門職ビザ審査では、追加資料の要請が、前年度に比べて2倍以上行われる事態となりました。移民局の統計によれば、2017年11月の申請却下率は17.6%にのぼり、2016年同月の却下率の2倍を超えました。

2018年7月、USCISは、追加証拠請求および却下予定通知に関する新たな指針を発表しました。

https://www.uscis.gov/news/news-releases/uscis-updates-policy-guidance-certain-requests-evidence-and-notices-intent-deny

これにより、最初に提出された申請書に必要な証拠が含まれていなかった場合または提出された証拠が適格でないと判断された場合には、追加証拠請求(Request for Evidence)や却下予定通知(Notice of Intent to Deny)を発行することなくビザ申請を却下する裁量が審査官に与えられることになります。この指針は、2018年9月11日に発効し、当該日付以降に受理されるすべてのビザ申請に適用されます。(ただし、小児就労のための延期措置(DACA)請求のみは例外とされます)。例えば、法律や申請フォームのインストラクションに明記された必要書類を伴わない申請が提出された場合、移民局審査官は、追加証拠請求および却下予定通知を発行することなく、申請を却下することが可能になります。当局側は、審査官に不完全または不適格な申請を却下する裁量を与えることで、審査の効率化を図ることが目的であるとしています。さらに、この指針により、根拠や理由のない申請を抑止する効果も期待でき、審査に要する費用の無駄を排除することができるだろうとも述べています。

一方、今回の指針の変更により、申請書類上の小さなミスが、国外退去処分などの重大な結果を引き起こすことになりかねない、と懸念する声が上がっています。

以上のように、2017年4月の大統領令への署名以降、外国人労働者のビザ審査の厳格化および雇用現場での移民取り締まりの強化が進められています。 移民法の法律自体への改正は行われていませんが、法律の適用の段階での審査基準や解釈が大きく変わってきているため、今後の 動向についても注視が必要です。

Nonimmigrant Visa Statistics 2017

国務省ホームページNonimmigrant Visa (NIV) Statistics内の、FY2017 NIV Detail Table のデータから、各ビザカテゴリーの発給数を知ることができます。

以下、日本人に多く取得されているいくつかのビザカテゴリーについて考察します。

まず、日本人のビザ取得おいて最も特徴的なのは、Eビザの取得件数の多さでしょう。2017年度において、E1(貿易駐在員)、E2(投資駐在員)ビザはそれぞれ全世界で7,063件と43,673件発給されています。このうち日本だけでの発給数はE1が1,543件、E2が14,360件となっており、それぞれ全世界の発給数の21.8%と32.9%を占め、世界一の発給数であることが分かります。日本に続くEビザ取得数を示すドイツでも、E1が1,306件、E2が4,267件となっていますので、日本のEビザ発給数、特にE2ビザ発給数 がいかに突出したものであるかが分かります。 E1E2ビザ合計の地域別発給割合は、ヨーロッパ39%、アジア41%、北アメリカ14%、南アメリカ4%、オセアニア1%、アフリカ0.3%となっています。

H1B(専門職ビザ)に関しては、全世界での発給数179,049件に対して、日本人の取得数は765件、割合でいうと0.4%のみにとどまっています。H1Bビザの年間取得者数はインド人が最多です。2017年度のインド人のH1B取得数は129,097件にのぼり、実に全世界の72%にも及びます。これは、IT業界で働くインド人エンジニアやプログラマーからの申請件数が群を抜いているためです。H-1Bビザを巡ってはその多くが、低賃金のインド系アウトソーシング企業の社員向けに発給されているといわれ、アメリカ市民の雇用を奪っているとの批判がありました。トランプ大統領がアメリカ市民の雇用を促す大統領令に署名し、H1Bビザ審査の厳格化を命じています。2016年度の統計と、2017年の統計を比較してみますと、今のところ数字上に大きな変化は見られませんが今後のH1Bビザの国別発給数の動向には大きな影響が及んでくる可能性があります。トランプ大統領は大統領令の発表に際し「現在、新規H1Bビザは無作為の抽選システムで審査が行われているがこれは過ちだ。」と語り、現行の抽選システムから、学歴や給与水準、貴重な技術を持った申請者に優先的に発給されるプライオリティーシステムへの移行を提案しています。

L1(企業内転勤者)ビザに関しては、全世界での発給数78,178件に対して、日本人の取得数は4,930件、割合でいうと6.3%となっています。L1ビザの年間取得者数は香港人が最多です。2017年度の香港人のL1取得数は22,355件にのぼり、全世界の28.6%を占めています。国際企業が多い香港ですが、中国にはアメリカと通商航海条約に基づくEビザの申請資格がないことなどが影響しているものと考えられます。B(短期商用・観光)ビザには、B1ビザ、B1/B2ビザ、B2ビザがありますが、全世界での合計発給数6,358,600件に対して、日本人の取得数はわずか6,311件のみ、割合でいうと0.1%となっています。日本はビザ免除プログラム対象国ですので、3か月以内ならビザなしでも渡航することができ、当然にBビザの発給数が低くなっています。Bビザの地域別発給割合は、アジア46.7%、南アメリカ25.2%、ヨーロッパ10.9%、北アメリカ10.1%、アフリカ6.7%、オセアニア0.4%となっています。

F1留学生ビザに関しては、全世界での発給数393,573件に対して、日本人の取得数は15,982件、割合でいうと4.1%となっています。F1留学生ビザ合計の地域別発給割合は、アジア68.2%、ヨーロッパ14.6%、南アメリカ6.9%、アフリカ5.4%、北アメリカ4.0%、オセアニア0.8%となっています。世界的に見てアジア圏からのF1留学ビザ申請の件数の多さが目立ちますが、アジア圏内国別にみると、1位中国、2位インド、3位韓国、4位日本となっています。F1留学生ビザに関しては、2016年度より全世界での合計発給数が16.6%も減少しているのが特徴的です。

トランプ大統領「RAISE法案」への支持を表明

アメリカのトランプ大統領は8月2日、与党共和党上院議員2名が提案する移民制度改革法案 The Reforming American Immigration for Strong Employment Act (RAISE法案)を支持すると表明した。

ホワイトハウスでの会見で、トランプ大統領は、現在永住権(グリーンカード)を取得している移民の多くが高い技能を持たない外国人で、アメリカ国民の雇用を奪っていると批判。RAISE法導入により、こうした技能を持たない移民を減少させることができ、結果としてアメリカ人労働者の賃金を引き上げるだろうとしている

「RAISE法案」は、米国経済に貢献できる高い技能を持つ申請者に優先的に永住権を付与するというもので、具体的には、年齢、学歴、英語能力、雇用先確保の有無、米国で投資する予定があるかどうかなどの項目でそれぞれのレベルによってポイントが付与される。例えば、学歴に関しては、高卒だと1、海外の大学卒5、米国の大学卒6、海外の大学院卒7、米国の大学院卒8、海外の博士課程修了10、米国の大学院卒13、などのポイントが付与される。年齢区分では50歳以上0、46-50歳2、41-45歳4、18-21及び36-40歳6、22-25及び31-35歳8、26-30歳10ポイント。英語については、低い0、並6、良10、優11、流暢12ポイントとなっている。同法案によれば、移民ビザ申請を行うためには、最低30ポイント必要とのこと。ノーベル賞受賞(25ポイント)、オリンピックメダル獲得(15ポイント)などがあれば話は別だが、実際30ポイントに達するのは、かなりハードルが高いと言えるだろう。

他にも、抽選による永住権の一部を廃止するなどとしており、10年間かけて、現在100万人いる移民の数を50万人に半減させるとしている。

今回の法案への支持表明は、トランプ大統領が掲げる「アメリカ・ ファースト」を実現するための移民政策の見直しに、積極的に取り組む姿勢をアピールする狙いがあるようだ。しかし、野党民主党や移民支援団体は法案に強く反発。「移民を減らすことは、アメリカの経済成長や潜在力を損うことになる」と批判の声が上がっている。さらに与党共和党の一部からも反発が出ていて、法案の審議は難航することが予想されている。

Nonimmigrant Visa Statistics

国務省ホームページNonimmigrant Visa Statistics内の、FY2016 NIV Detail Table のデータから、各ビザカテゴリーごとの発給数を知ることができます。

以下、日本人に多く取得されているいくつかのビザカテゴリーについて考察します。

まず、日本人のビザ取得おいて最も特徴的なのは、Eビザの取得件数の多さでしょう。2016年度において、E1(貿易駐在員)、E2(投資駐在員)ビザはそれぞれ全世界で8,085件と44,243件発給されています。このうち日本だけでの発給数はE1が1,803件、E2が13,609件となっており、それぞれ全世界の発給数の22%と31%を占め、世界一の発給数であることが分かります。日本に続くEビザ取得数を示すドイツでも、E1が1,457件、E2が4,329件となっていますので、日本のEビザ発給数がいかに突出したものであるかが分かります。 E1E2ビザ合計の地域別発給割合は、ヨーロッパ40%、アジア40%、北アメリカ14%、南アメリカ4%、オセアニア1%、アフリカ0.3%となっています。

H1B(専門職ビザ)に関しては、全世界での発給数180,057件に対して、日本人の取得数は1,011件、割合でいうと0.5%のみにとどまっています。H1Bビザの年間取得者数はインド人が最多です。2016年度のインド人のH1B取得数は126,692件にのぼり、実に全世界の70%にも及びます。これは、IT業界で働くインド人エンジニアやプログラマーからの申請件数が群を抜いているためです。H-1Bビザを巡ってはその多くが、低賃金のインド系アウトソーシング企業の社員向けに発給されているといわれ、アメリカ市民の雇用を奪っているとの批判がありました。先日、トランプ大統領がアメリカ市民の雇用を促す大統領令に署名し、H1Bビザ審査の厳格化を命じましたので、今後のH1Bビザの国別発給数の動向にも大きな影響が及んでくる可能性があります。トランプ大統領は大統領令の発表に際し「現在、H1Bビザは無作為の抽選システムで発給されているがこれは過ちだ。」と語り、現行の抽選システムから、学歴や給与水準、貴重な技術を持った申請者に優先的に発給されるシステムへの移行を指示しています。

L1(企業内転勤者)ビザに関しては、全世界での発給数79,306件に対して、日本人の取得数は4,791件、割合でいうと6%となっています。L1ビザの年間取得者数は香港人が最多です。2016年度の香港人のL1取得数は23,511件にのぼり、全世界の30%を占めています。国際企業が多い香港ですが、中国にはアメリカと通商航海条約に基づくEビザの申請資格がないことなどが影響しているものと考えられます。L1ビザ合計の地域別発給割合は、アジア51%、ヨーロッパ30%、南アメリカ8%、北アメリカ7%、オセアニア2%、アフリカ2%となっています。

B(短期商用・観光)ビザには、B1ビザ、B1/B2ビザ、B2ビザがありますが、全世界での合計発給数6,965,466件に対して、日本人の取得数はわずか6,729件のみ、割合でいうと0.1%となっています。日本はビザ免除プログラム対象国ですので、3か月以内ならビザなしでも渡航することができ、当然にBビザの発給数が低くなっています。Bビザの地域別発給割合は、アジア51%、南アメリカ23%、ヨーロッパ10%、北アメリカ9%、アフリカ7%、オセアニア0.4%となっています。

F1留学生ビザに関しては、全世界での発給数471,728件に対して、日本人の取得数は16,668件、割合でいうと3.5%となっています。F1留学生ビザ合計の地域別発給割合は、アジア71%、ヨーロッパ13%、南アメリカ6%、アフリカ5%、北アメリカ4%、オセアニア1%となっています。世界的に見てアジア圏からのF1留学ビザ申請の件数の多さが目立ちますが、アジア圏内国別にみると、1位中国、2位インド、3位韓国、4位日本となっています。