Extreme Vetting (厳格審査)

トランプ氏が、ビザ審査を厳格化する大統領令に署名したことを受け、Extreme Vetting (厳格審査)とよばれる新しい審査プロセスが、緊急対応施策として導入されます。

具体的には、ビザ審査過程において、Extreme Vettingの対象となると判断された場合、DS5535の追加提出が義務付けられます。DS5535では、次の情報を追加提供する必要があります。

過去15年間の渡航歴およびその渡航費用の資金源についての情報
・過去15年間の全住所
・過去15年間の職歴
所有したことのあるすべてのパスポート番号および発行国についての情報
・全ての兄弟姉妹の姓名及び生年月日
・全ての子供の姓名及び生年月日
・現在および過去の配偶者(内縁の関係を含む)の姓名及び生年月日
過去5年間に使用したソーシャルメディアサービス名およびそのID・ハンドルネーム
・過去5年間に使用した電話番号およびEメールアドレス

ビザ申請者が、Extreme Vetting対象者となるかどうかはあくまで各領事館の領事の判断に任せられるとされています。各領事館は、対象者選定のための判断基準を各自設けることとされていますが、追加書類リクエストは、全体のビザ申請者の0.5%にとどまる模様です。なお、イスラム国(ISIS)の支配地域に滞在していたビザ申請者は領事館によるソーシャルメディアチェックを受けなければならないともされています。

DS5535にて提出された追加データは、国務省によるクリアランス(Security Advisory Opinion)を受けるための審査に回されることになっていますが、審査に要する期間がどのくらいなのか、またその審査基準などはまだ明らかになっていません。

今回の審査プロセスは、大統領令を受けての緊急対応施策として180日の有効期限の限定的なものとして導入されますが、180日経過後も延長される可能性があります。

日本人の場合、おそらく、Extreme Vetting対象者になる確率は低いでしょうが、過去にイスラム国の支配地域への渡航歴のある方については、追加書類のリクエストを受ける可能性が十分ありますのでご注意ください