Nonimmigrant Visa Statistics

国務省ホームページNonimmigrant Visa Statistics内の、FY2016 NIV Detail Table のデータから、各ビザカテゴリーごとの発給数を知ることができます。

以下、日本人に多く取得されているいくつかのビザカテゴリーについて考察します。

まず、日本人のビザ取得おいて最も特徴的なのは、Eビザの取得件数の多さでしょう。2016年度において、E1(貿易駐在員)、E2(投資駐在員)ビザはそれぞれ全世界で8,085件と44,243件発給されています。このうち日本だけでの発給数はE1が1,803件、E2が13,609件となっており、それぞれ全世界の発給数の22%と31%を占め、世界一の発給数であることが分かります。日本に続くEビザ取得数を示すドイツでも、E1が1,457件、E2が4,329件となっていますので、日本のEビザ発給数がいかに突出したものであるかが分かります。 E1E2ビザ合計の地域別発給割合は、ヨーロッパ40%、アジア40%、北アメリカ14%、南アメリカ4%、オセアニア1%、アフリカ0.3%となっています。

H1B(専門職ビザ)に関しては、全世界での発給数180,057件に対して、日本人の取得数は1,011件、割合でいうと0.5%のみにとどまっています。H1Bビザの年間取得者数はインド人が最多です。2016年度のインド人のH1B取得数は126,692件にのぼり、実に全世界の70%にも及びます。これは、IT業界で働くインド人エンジニアやプログラマーからの申請件数が群を抜いているためです。H-1Bビザを巡ってはその多くが、低賃金のインド系アウトソーシング企業の社員向けに発給されているといわれ、アメリカ市民の雇用を奪っているとの批判がありました。先日、トランプ大統領がアメリカ市民の雇用を促す大統領令に署名し、H1Bビザ審査の厳格化を命じましたので、今後のH1Bビザの国別発給数の動向にも大きな影響が及んでくる可能性があります。トランプ大統領は大統領令の発表に際し「現在、H1Bビザは無作為の抽選システムで発給されているがこれは過ちだ。」と語り、現行の抽選システムから、学歴や給与水準、貴重な技術を持った申請者に優先的に発給されるシステムへの移行を指示しています。

L1(企業内転勤者)ビザに関しては、全世界での発給数79,306件に対して、日本人の取得数は4,791件、割合でいうと6%となっています。L1ビザの年間取得者数は香港人が最多です。2016年度の香港人のL1取得数は23,511件にのぼり、全世界の30%を占めています。国際企業が多い香港ですが、中国にはアメリカと通商航海条約に基づくEビザの申請資格がないことなどが影響しているものと考えられます。L1ビザ合計の地域別発給割合は、アジア51%、ヨーロッパ30%、南アメリカ8%、北アメリカ7%、オセアニア2%、アフリカ2%となっています。

B(短期商用・観光)ビザには、B1ビザ、B1/B2ビザ、B2ビザがありますが、全世界での合計発給数6,965,466件に対して、日本人の取得数はわずか6,729件のみ、割合でいうと0.1%となっています。日本はビザ免除プログラム対象国ですので、3か月以内ならビザなしでも渡航することができ、当然にBビザの発給数が低くなっています。Bビザの地域別発給割合は、アジア51%、南アメリカ23%、ヨーロッパ10%、北アメリカ9%、アフリカ7%、オセアニア0.4%となっています。

F1留学生ビザに関しては、全世界での発給数471,728件に対して、日本人の取得数は16,668件、割合でいうと3.5%となっています。F1留学生ビザ合計の地域別発給割合は、アジア71%、ヨーロッパ13%、南アメリカ6%、アフリカ5%、北アメリカ4%、オセアニア1%となっています。世界的に見てアジア圏からのF1留学ビザ申請の件数の多さが目立ちますが、アジア圏内国別にみると、1位中国、2位インド、3位韓国、4位日本となっています。