2015年11月以降、米国内で飲酒運転 (DUI) で逮捕されると、在外米国大使館・領事館からビザ保持者にビザの取消通知が届くようになりました。最近、DUIを理由としたビザ取り消し通知を受けた方からのご相談が増えています。
米国内で警察に逮捕されると、全米犯罪情報センター (NCIC)のデータベースに逮捕歴が登録され、在外米国大使館・領事館に情報が提供されます。情報の提供を受けた在外米国大使館・領事館は、ビザ保持者に対して、ビザ申請時にDS160に記載したメールなどの連絡先へ、DUIによる逮捕に基づきビザが自動的に取り消されることを通知することになっています。ビザが取り消された場合、その申請者の家族の同伴ビザも同様に取り消されることになります。
在外米国大使館・領事館から届く取り消し通知のメールには、通常、以下のような内容が記載されています。(※通知内容は、各申請者により異なる場合がありますのでご注意ください)
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移民法221(i)に基づきあなたのビザは米国国務省により取り消されました。この取り消しは、あなたが米国を出国した時点で効力を発します。この処分は、あなたのビザ発給後に明らかになったビザ適格を有しない可能性があることを示す新しい情報に基づいてなされたものです。
あなたが現在米国に滞在していている場合、この取り消し処分は、あなたが米国に入国した際に米国税関国境保護局(CBP)によって与えられたステータスや、滞在許可に影響を及ぼすものではありません。
ただし、ビザの取り消し処分を受けた後に米国を出国した場合、米国に再入国する際には、ビザ適格を証明するためにビザの再申請を行いビザを取得する必要があります。
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過去5年以内にDUI逮捕歴があれば、有罪判決の有無にかかわらず、ビザの取り消し処分の対象となります。現在米国に滞在中で、有効なI-94を保持している場合は、引き続き米国での滞在や就労は可能です。
しかし、いったん米国を離れた場合、再入国するためには、ビザを再申請し取得する必要があります。このビザの再申請手続きにおいて、申請者は、通常のビザ申請書類に加え、DUI逮捕歴を開示し、警察の逮捕記録や、裁判関連書類、罰金・社会奉仕活動等々の記録、などの追加書類も提出する必要があります。
さらに、ビザ審査の過程で、在外米国大使館・領事館が必要と判断した場合には、大使館・領事館指定の医師からの健康診断書を取得するよう求められます。健康診断は「アルコール依存症による身体または精神障害があり、今後、申請者本人、または第三者の安全に危害を加える可能性があるか否か」を判断する目的で行われ、指定医師から問題ないと判断された場合にビザが発行されます。従って、通常のビザ申請よりも、書類の準備や審査に長く時間がかかりますので注意が必要です。DUIで逮捕された場合、初犯で人身傷害などがなく、軽犯罪に該当するものであって、アルコール依存に該当しないと診断されれば、弊社の過去の事例を見ても、ビザは再発行されています。
逮捕歴や犯罪歴が有る方はESTAにての渡米は出来なくなります。従いまして、DUIによるビザ取り消し後の渡米には、たとえ観光目的や短期の出張であってもビザの取得が必要となります。
なお、在外米国大使館・領事館は常に申請者の最新の連絡先を把握しているとは限りませんので、ビザ申請者に必ずしもビザ取り消しの通知が届いている保証はありません。従って、ビザ保持者が米国外に出国したのち、再入国する際に初めて自分のビザが取り消されていることを知る場合もあります。DUIによる逮捕を受けた場合、速やかに就労先や弁護士に相談し、その後のビザ再申請や出入国の計画を立てる必要があるでしょう。